近年、さまざまな業界でSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが急速に進み、その重要性がますます高まっています。しかし、「名前は知っているけど、具体的に何を目指しているのかは曖昧」、「市区町村でどのようにSDGsが実践されているのか、具体例を知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、SDGsの基本的な特徴やそのメリットに加え、市区町村での実践例をわかりやすくご紹介します。
この内容を読めば、SDGsへの理解が深まり、自分の学びや活動に活かせる具体的なヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までご覧ください!
さらに、SDGs総合研究所では、国内外の最新情報を発信し、専門家や関係者から高く評価されています。これを機に、あなたもSDGsへの理解を一歩進めてみませんか?
市区町村のSDGs活用事例5選
市区町村のSDGsの取り組みや活用事例をご紹介!
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
大阪市:SDGs推進と未来を創る地域づくり
大阪市のSDGsへの取り組み
大阪市は、SDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残さない持続可能な世界の実現」という理念を基に、「大阪市未来都市創生総合戦略」を策定しました。これにより、経済・社会・環境の3側面から多様な取り組みを展開し、地域の発展を目指しています。
具体的な施策として、子育てや教育環境の充実、若者や女性の活躍促進、健康で安心して暮らせる地域づくり、防災力の強化、大阪経済の活性化、都市インフラの充実、リサイクル推進、気候変動対策などが挙げられます。これらの取り組みは、地域社会における持続可能な発展を実現するために不可欠です。
特に注目すべきは、2025年大阪・関西万博を契機にSDGsの推進を図っている点です。「TEAM EXPO2025」プログラムに参画し、国内外のさまざまなステークホルダーと連携して活動を行っています。このプログラムは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に基づき、SDGsの達成に向けて共に理想の社会を創り上げることを目指しています。
また、大阪府は「大阪SDGs行動憲章」を策定し、府民や企業がSDGsを理解し、地域社会や環境に配慮した行動を促進する活動を行っています。この憲章に賛同した大阪市も、さまざまなステークホルダーとの連携を強化し、SDGsの推進に努めています。
大阪市はこれらの取り組みを通じて、持続可能な地域社会の実現に向けて不断の努力を続けており、2030年に向けた持続可能な未来を目指しています。
長崎県:誰一人取り残さない地域共生社会の実現へ
長崎県のSDGsへの取り組み
長崎県は「持続可能で、誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、SDGsの理念を反映した施策を推進しています。地域活性化や安心して暮らせる社会の構築に向け、環境、教育、経済、まちづくりなど幅広い分野で取り組んでいます。
具体的には、働きやすい職場づくりを進め、若者が県内で活躍する環境を整えています。また、移住者が地域の担い手となり、地域共生社会の実現を目指しています。さらに、安心して子育てできる社会を築くため、結婚や出産を支援する施策も展開しています。
オープンイノベーションにより新産業の創出が進み、観光まちづくりでは誰もが楽しめる環境を整備。スマート農林水産業の導入により生産性と労働環境の改善も図っています。九州新幹線の開業やIR整備により交流人口が拡大し、地域経済が活性化する好循環を目指しています。
これらの取り組みを通じて、長崎県は持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献しています。
福井県:未来を決める-持続可能な社会を共に創る
福井県は、SDGsの理念に基づき、「誰一人取り残さない」「多様性と包摂性のある持続可能な社会」を目指しています。
2040年の将来像として、安心で活力ある社会を創造する「福井モデル」の確立を掲げています。特に「未来のために。~次の世代に選ばれる福井へ~」という独自のSDGs活動コンセプトを設定し、地域の良さを次世代に継承し、個々がチャレンジできる環境を整えています。
福井県は内閣府の「SDGs未来都市」に選定されており、その背景には県の教育力を活かした人材育成や、昨年設立された「福井県SDGsパートナーシップ会議」があります。今後は、パートナーシップ会議を通じた活動支援や、企業体験会、地域文化学習を通じた「ふくい未来人材育成プロジェクト」を進め、若者が地域の未来を担う人材として育つことを目指します。
これらの取り組みを通じて、福井県は経済、社会、環境の好循環を生み出し、持続可能な地域づくりを実現していく意向です。福井の強みを活かした具体的なアクションが、地方自治体におけるSDGsのモデルケースとして注目されています。
長野県:学びの力で創る!自立・分散型社会への挑戦
長野県は、「学びと自治の力による自立・分散型社会の形成」を目指し、地域課題の解決に積極的に取り組んでいます。その一環として「信州こどもカフェ」では、学習支援や食事提供、学用品リユースを通じて環境負荷を軽減し、経済的困難を抱える家庭の子どもたちへの支援を行い、親の安定就労や産業人材の育成を推進しています。
また、長野県立大学では地域の社会人と学生が協働するソーシャルイノベーション創出を目指し、次世代のイノベーター育成を進めています。さらに、高齢者の社会参加や持続可能な社会構築に向けた人材育成にも注力し、地域の図書館・公民館、オンライン学習などを活用して、学びのエコシステムを形成し新たな価値創造に取り組んでいます。この多面的な活動により、長野県は持続可能な地域社会の実現に貢献しています。
北海道:北海道から未来をつなぐSDGsの輪
北海道は、全体として「SDGs未来都市」に選定され、札幌市、ニセコ町、下川町、上士幌町も同様に選出されるなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。道内では「北海道SDGs推進ネットワーク」が設立され、個人、企業、団体、NPO、行政機関などが連携・協働し、SDGsの理念を広めています。
具体的には、SDGsに取り組む人材をリスト化し、マッチングを行う「北海道SDGs推進人材バンク」を運営。これにより、企業や教育機関でのSDGs普及を支援しています。また、国際的なネットワークを持つJICA北海道との連携により、道内の取り組みを世界に発信し、北海道の魅力を広げています。
こうした活動を通じて、地域の特性を活かした持続可能な開発が進められ、未来の世代に誇れる環境と社会の構築を目指しています。北海道の取り組みは、地域活性化と持続可能性のモデルとして、国内外から注目を集めています。